こんにちは。イノです。
僕は柔道整復師、鍼灸師になって10年以上のキャリアがあります。
その知識を使って、整骨院、整体院、鍼灸院に行かなくてもすむ情報をお届けしています。
今回の記事では「【資格を取る前に知っておきたい】柔道整復師のメリット、デメリット」を発表します。
それでは本文をどうぞ。
今回は柔道整復師のメリット、デメリットについてのお話しをさせて頂きます。
柔道整復師の資格を取得して12年ほどになります。
その間に2つの院で勤務しました。
その後、開業して現在7年目になります。
資格を取得するのに迷っている人の参考になればうれしいです。
資格を取得しようかどうか迷われている時に考えるのは、
この資格が自分の人生の役に立つのか?
こう言う事だと思います。
迷っていても学費も高いですしなかなか決めきれないと思います。
頭を整理して決断する参考になればうれしいです。
前回書いた
【ちょっとまって】資格を取る前に知っておきたい柔道整復師に向いている人
も読んでみてください。
柔道整復師のメリット
☑️食べていきやすい
☑️開業しやすい
☑️最低限の医学知識が身につく
食べていきやすい
・健康保険が使えるから
・整骨院の数が多いので求人はあるから
食べていきやすいというのは一番大きいのではないでしょうか。
柔道整復師は健康保険が使えます。
詳しく言うと病院の健康保険の制度とは少し違うのですけど、
ここではそのことは省略します。
健康保険が使えると言うことはかなり大きいです。
患者さんが安い価格で治療を受けて、
治療者側は残りの金額を健康保険から受け取ることができます。
なので患者さんは通院しやすいので多くの人が通ってもらえます。
全体でもらえる金額少ないので、十分に治療ができないと言う問題はあります。
しかし、それでも資格を取ってから数年はかなりメリットがあります。
整骨院自体が薄利多売なので健康保険中心でい治療をしている整骨院は人が必要になります。
なので今現在、仕事はたくさんあります。
他の整骨院経営者と集まると求人をかけても人が来てくれないという話になります。
それくらい柔道整復師が足りていないので仕事には困らないでしょう。
これが鍼灸師になるとなかなか求人がありません。
鍼灸の健康保険はとても制限がある為、なかなか利用ができません。
鍼灸院は1回の料金が高いため、あまり多くの患者さんが来院しません。
なので鍼灸師の資格を取得したものの、鍼灸師として働いていない人がたくさんいます。
開業しやすい
・開業資金は500万円くらい
・技術はそこそこでOK
整骨院を開業する時に開業費用がそんなにかかりません。
安くするなら500万円くらいで開業できます。
もっと安く300万円くらいで済ます人もいます。
他の業種と比べるとかなり安いと思います。
なので独立したいと思っている人にはオススメです。
技術的なものでいうと資格を取得してから1年くらい働けば開業できます。
技術を深めていくのであれば全然足りません。
しかし、整骨院のスタイルによっては技術の追求はマイナスに働くこともあります。
これは前回書いた「資格を取る前に知っておきたい柔道整復師に向いている人」に書いてありますのでそちらも参考にしてください。
最低限の医学知識が身につく
・国家試験の知識が仕事の共通言語になる
・国家試験のない整体師は基本ができていない
国家試験に対してネガティブな意見があったりします。
養成学校も資格試験のための学校になっているところがほとんどでしょう。
しかし、国家試験の勉強をする事で強制的に最低限の知識が身につきます。
これは仕事をしだした時に整骨院の共通言語になります。
最低限の医学知識はとても重要です。
知らないと職場でのスムーズな会話ができません。
取ってしまうと当たり前になるので実感しないことが多いと思います。
しかし、国家資格がない整体師さんとお話をする時にすごく実感します。
結構勉強している整体師でも当たり前に知っておくべき筋肉、骨の名前を知らないことがあります。
知らないという事は解剖生理学に沿った施術ができないという事です。
解剖生理学に沿った施術でないものはオカルトだと言われても仕方がありません。
しかも人のやった施術を真似するだけで自分で考えて施術をする事はできません。
東洋医学を中心にした鍼灸師でさえも基礎的な解剖生理学は身につけています。
そういった整体師に会った時に国家試験の勉強は大切だったのだと感じます。
柔道整復師のデメリット
☑️養成学校で学ぶ実技がほとんど役に立たない
☑️資格者、整骨院の数が多い
☑️健康保険が使えなくなっている
☑️単純労働のマッサージ屋さんになりがち
☑️みんな現場を卒業したい
養成学校で学ぶ実技がほとんど役に立たない
骨折、脱臼の患者さんはほとんど来ません。
整形外科でレントゲンで骨折の状態を診てもらった方がいいです。
整形外科で麻酔でもしてもらってから施術してもらっと方がいいです。
重度の骨折では手術も必要になります。
整骨院行ってから整形外科に行くのは二度手間です。
なのに養成学校では骨折、脱臼の施術の勉強をかなりします。
レントゲンは使えませんけど、骨折、脱臼しているだろうと分かることは大切です。
しかし、骨折、脱臼の勉強量はかなり多いです。
ここからは僕の行っていた養成学校の話です。
僕の行っていた養成学校の先生は実際に現場で仕事をしたことのない先生がほとんどでした。
学生の時に成績のいい人を卒業してからすぐに雇っていました。
完全に国家試験のための学校ですね。
資格者、整骨院の数が多い
これはよく言われるます。
資格者、整骨院数はどんどん増えていっています。
なので競争は激化していっています。
数が増えればそれだけその資格の価値も下がっていきます。
整骨院もたくさんあれば価値が下がります。
他との差別化が大切になってきます。
それなら最初から柔道整復師ではなく他の資格を身につけるというのが差別化になるような気がします。
それでも整骨院はまだつぶれにくいです。
これは健康保険の恩恵を受けているからです。
しかし、その健康保険もいいものではなくなってきています。
健康保険が使えなくなってきている
・健康保険でもらえる金額が少なくなってきている
・健康保険の審査が厳しくなってきている
柔道整復師の一番の特権である健康保険があまり使えなくなってきています。
「使えない」というのには2つの意味があります。
1、健康保険でもらえる金額が少なくなってきている。
2、健康保険の審査が厳しくなってきている。
この2つの意味で使えないものになってきています。
健康保険でもらえる金額が少なくなってきています。
なので、薄利多売のような状態になります。
しっかり施術をするなら検査に10分は欲しいところです。
しかし、健康保険でもらえる金額を考えると全体で10分間くらいしかかけれなくなります。
それ以上時間をかけると忙しいのに利益が出なくて、体がボロボロになります。
僕はボロボロになってこの方針を変えました。
しっかり施術が出来ていないという事は罪悪感も出てきてしまいます。
しかも大変なのが月末のレセプト提出までの作業です。
休みの日などを使ってやっていきます。
何百枚もあれば休みの日を一日使ってしまうこともあります。
そういう時間を考えると僕の時給はいくらになるのだろうと悲しくなります。
健康保険の審査が厳しくなってきています。
整骨院で健康保険を使用した患者さんにアンケートが届くようになりました。
「分かるところでいいので記入して提出してください」
こういう風に気軽に記入してくださいと書いています。
しかし、これは少しでも間違えると整骨院にレセプトが返ってきます。
施術して、レセプト書いてという努力が無駄になる瞬間です。
再提出することもできますが、患者さんのサインが必要になります。
それまでに患者さんと連絡が取れなくなっていることもあります。
これは泣き寝入りしないといけなくなります。
以上のように健康保険は使わなくていいなら、使わないのが理想です。
施術の価格も高くして、少人数の患者さんを診て、レセプトもしなくていいのが理想です。
単純労働のマッサージ屋さんになりがち
・多くの整骨院は「保険の使えるマッサージ屋さん」
・単純労働のマッサージでは仕事が面白くない
整骨院を「保険の使えるマッサージ屋さん」と思っている患者さんは多いと思います。
先ほども言ったように健康保険の金額だと施術時間をかなり短くしないとやっていけません。
そうなると検査する時間を省きます。
省くと施術はできません。
全身をマッサージすることになります。
患者さんが来院されたら、すぐにベッドに横になってもらってマッサージをします。
マッサージするのが好きならいいのですけど、
僕はこの単純労働がかなり嫌いです。
全く面白くありません。
しかし、整骨院の半分以上が「保険の使えるマッサージ屋さん」になっています。
僕だけではなくて、みんなこの単純労働が嫌いなようです。
そうなってくるとみんなが目指す目標が出てきます。
この時に道は2つに分かれます。
1、自費を使って自分のやりたい施術をする
2、人を雇って、現場から引退して経営に専念する
今の柔道整復師の多くが目指しているのは2の方です。
みんな現場を卒業したい
・単純労働のマッサージ屋さんはすぐに飽きてくる
・現場を引退した経営者に憧れる
・養成学校の学費で会社を設立できます。
薄利多売の単純労働整骨院の柔道整復師が目指すのは現場からの卒業です。
資格を取得するとほとんどが整骨院に勤務しだします。
最初は新鮮で楽しいのですが、
仕事を数週間で覚えるとあとはずっと単純労働です。
とにかく患者さんをマッサージしていきます。
人気のある院だと勤務時間中ずっとマッサージしています。
1年もすると飽きと疲れが出てきます。
これは整骨院あるあるです。
想像してください。
あなたは整骨院で仕事をしています。
2年ほど経つと同じことの繰り返しに飽き飽きしてきます。
そんな時にあなたの院の経営者が来院します。
ちょっとホストっぽいスーツやジャケットを着た経営者です。
テレビで見るような経営者とは違いちょっと怪しさが出ています。
ニコニコしながら登場して、経営者は従業員に「頑張ってね!」なんて言って帰っていきます。
毎日毎日単純労働を繰り返しているあなたはこの仕事にあきあきしています。
給料も上がらない。
結婚して家族を養うには足りないくらいの額です。
一方、仕事しているのかしていないのか分からないような経営者が高そうな服を着て、高級車に乗っています。
「ニコニコして余裕があるのは自分みたいにあくせく働いていないからだろ」と思います。
そう思うと、あなたは「早くあっちに行きたい」と思うはずです。
でもよく考えてみてほしいのです。
経営者になりたいから資格を取るのですか?
養成学校の学費が3年で500万円くらいになります。
そのお金で会社が設立できます。
しかも整骨院業界は盛り上がっている業界ではありません。
昔は整骨院を開業した人は高級車に乗っていましたが、そんな時代ではありません。
どうせ経営をしたいならもっとこれから盛り上がる業界がいいのではないかと思います。
例えばIT業界はどんどん発展している業界です。
プログラミングなどを学んでフリーになると年収1000万円以上稼ぐ人が結構いるそうです。
いや勤めていても年収1000万円以上稼ぐ人が結構いるそうです。
しかもプログラミングは独学でも学べるし、学校行っても50万円もかからないそうです。
柔道整復師の養成学校の10分の1です。
独立開業しても年収1000万円以上行くのは難しいです。
勤めていると年収1000万円なんて夢のまた夢と言ったところです。
IT業界などこれからもっと発展する業界の方が良くないですか?
それでも自分は施術をして人の役に立ちたいんだという人だけでいいと思います。
結論
☑️メリットは健康保険が使える
☑️純粋に医学の道に進みたいのなら理学療法士がお勧め
結果を見ていくとデメリットばかりですね(汗)
実際にメリットでいうと健康保険が使えるということです。
健康保険を使うために柔道整復師の資格を取りにいくと行っても言い過ぎではありません。
「そんなんじゃない!純粋に医学の勉強をして人のために働きたいんだ!!」
という人も中にはいるかもしれません。
そういう人は理学療法士になることをお勧めします。
理学療法士は病院でリハビリをする仕事です。
いっけんすると柔道整復師と同じではないかと思われます。
しかし、理学療法士は整形外科疾患だけを施術するのではありません。
内科疾患の患者さんにもリハビリは必要だったりします。
なので施術をする患者さんも多岐に渡ります。
しかも病院に勤務するので医学の勉強にもなります。
似ているようで全然違う理学療法士の方が純粋に医学をするのにお勧めです。
僕は理学療法士の人と交流があります。
理学療法士の人たちの方が医学に興味がある人が多いように感じます。
僕も書いていて厳しい結果になったなと思います。
しかし、読み直しても多くの柔道整復師に納得していただける内容になったと思います。
メリット、デメリットを見て頭を整理してから柔道整復師になるかどうか決断してみてください。
ここまで読んでもそれでもなお柔道整復師になりたい人がいたら、目指すべきだと思います。
柔道整復師になっている僕はどうかというと、この仕事を結構楽しんでいます。
というか楽しくなるように活動をしています。
楽しくなるようにしていくと一生の仕事になると思います。
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