【よくわからないけど体がだるい】パフォーマンスを上げる方法【最高の体調】

書評

こういったよくわからない不調はありませんか?

日常生活でこういったことはありませんか?

☑️仕事の集中力が続かない

☑️すぐにイライラしてしまう

☑️不安な気持ちになる

☑️張り合いのない毎日を送っている

☑️朝起きれない

☑️やる気が起きない

☑️太っている

 

今回紹介するのは「最高の体調」という本です。

 

マンガ版も出ています。

この本は鈴木祐さんという方が書いています。

鈴木祐さん、彼自身が医者であるとか、医療従事者ではなくライターだそうです。

ただこの方がすごいのは論文をかなりリサーチして書いているということです。

多くの論文をもとに書かれたこの本は客観性があります。

論文は多くの人で実験して効果があったものですので、それだけ再現性もあります。

 

毎日が疲れているなと思う人は本書のタイトルである「体調」という言葉が気になるでしょう

しかし、この本はそれ以外の人に有効です。

というのも体調が悪いと自覚していない人が結構います。

いった人はいろんな対策を行ったりしているかもしれません。

それが対症療法になっていませんか?

筆者は言います。

 

”こう言った症状には共通した原因があるのです。”

”その共通の根本原因を改善することでこう言った症状は良くなります。”

 

文明病の原因は「炎症」と「ぼんやりとした不安」

☑️現代人は文明病におかされている

☑️原因は「炎症」と「ぼんやりとした不安」

☑️解決策は「腸」「環境」「ストレス」「価値観」「死」「遊び」

 

そして、こう言った症状というのはあなたが悪いのではないと言います。

これは現代人に特有の「文明病」だと言います。

「文明病」とは、近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状を意味します。

なのであなたが悪いのではなく社会の問題なのです。

「文明病」の原因を二つあげています。

「炎症」「ぼんやりとした不安」です。

この2つにより不調を起こしているといっています。

ここでいう「炎症」とは、例えばヒザを擦りむいたり、打撲したりした時に起こるような紅く腫れるような一般的にみなさんが想像するような炎症ではありません。

アレルギーなどの長期間続くようなジワジワと燃えるような炎症のことを言います。

これが上記のような不調を引き起こしています。

本書では論文で炎症が少ない人ほど長生きだというようなデータも出ています。

 

もう一つの「ぼんやりした不安」とは遠い未来の来るか来ないかわからないようなことを不安がることです。

「ぼんやりした不安」が体調を崩す原因と言われてもピンと来ませんでした。

しかしこういったことが精神を蝕んで体調不良につながるそうです。

 

この2つの解決策として、筆者は「炎症」には「腸」「環境」「ストレス」に対して対策するといいとしています。

「ぼんやりとした不安」に対しては「価値観」「死」「遊び」に対して対策するといいよといっています。

 

 

 

☑️腸内細菌を減らさない方法

☑️腸内細菌を増やす方法

 

まず「腸」ですが、リーキーガットという言葉を聞いたことがありますか?

”腸の粘膜をつなぐ結着細胞が壊れて、バリア機能が壊れた状態。そこから、未消化の食物やエンドトキシン(毒素)などの有害物質が血管に侵入。これ反応した人体は免疫システムを作動させ、体内のあらゆるエリアに慢性的な炎症を発生させる。”

これがリーキーガットという症状だそうです。

これは特に疲れに関係していて、慢性疲労症候群の人はリーキーガットになっているという論文も載っていました。

このリーキーガットの原因は「腸内細菌の不足」が原因だそうです。

どうして腸内細菌が不足しているかというと「抗生物質」「薬用ハンドソープ」などで腸内細菌が死んでしまっているそうです。この2つは殺菌作用があるためいらない細菌を殺すだけでなく、必要な細菌も殺してしまうそうです。

 

腸内細菌が不足するもう一つの原因は「食物繊維の不足」だそうです。食物繊維は腸内細菌のエサになるそうです。現代人は食物繊維を摂る量が少ないため腸内細菌が減ってしまっています。

 

腸内細菌が不足する原因がわかり、その対策ができたら、次は腸内細菌を増やす必要があります。

これは発酵食品を摂ることがおすすめだそうです。発酵食品にはたくさんあります。例えば、納豆、キムチ、ミソ、ぬか漬け、ヨーグルトなどだそうです。

それぞれの食品に含まれる腸内細菌の種類が違うのでいろんな種類を食べることが大切です。

 

 

環境

☑️自然に触れてリラックス

☑️友達を増やすには接触時間を長くしよう

 

次に「環境」ですが、「自然」「友人」の環境が大切なのだそうです。

「自然」ですが、自然に触れることで副交感神経が活性化することが分かっています。

これは論文でかなり高い効果だと出ているそうです。

現代人は遊ぶときは刺激的な事をすることが多く「興奮」しています。

仕事ではストレスが強く「脅威」にさらされています。

「興奮」「脅威」常にさらされる生活で「安らぎ」が足りなくなっています。

なので、自然と触れ合う事で副交感神経を活性化させることが大切です。

最低でも週1回くらいは30分公園に行くことから始めるように勧めています。

 

 

次に「友人」ですが、論文が紹介せれています。

孤独だった人に友達ができた場合、最大で15年も寿命がのびるという研究結果が出ているそうです。

ただし、人間の脳は見知らぬ他人とうまく人間関係が作られるように設計されていないそうです。

そのように友達を作るにはどうすればいいかということが書かれています。

いろんな要素があるけど、良好な友人関係を保つには一緒に過ごす時間の長さが大切だといっています。

まずは単純に接触する時間を長くしようといっています。

これだったらできそうですね。

その他にも何個か方法が書いてありますがどれもハードルが低いので本書で確かめて試してみてください。

 

ストレス

☑️ストレスに対抗する手段「リアプレイザル」

☑️寝不足、ウォーキングもストレス対策に有効

 

人体は獣に襲われたりといった急性のストレスには対応できるのですが、慢性的なストレスに立ち向かえるようにはできていないそうです。

現代人のストレスといえば慢性的なストレスが多いですよね。なので、現代人のストレスに人間の体は残念ながら耐えることができないそうです。

そこでの対策としてはリアプレイザルという方法を紹介されています。

リアプレイザルとは緊張と興奮の感覚に対して、人の体は同じような状態になるそうです。

それを利用して緊張している状態を興奮しているのだと脳に言い聞かせて緊張のストレスをなくすという方法です。

 

”自分が大勢の前でスピーチをする場合を想像してみましょう。あなたの頭には「セリフを忘れたらどうしよう・・・・・」「笑われるかもしれない・・・・」といった思考がうずまき、ほどなく全身にストレス反応が起きます。アドレナリンのせいで心臓は高鳴り、緊張で手が震えだすかもしれません。

こんな状況で、もっとも応急処置の効果が高いのが「リアプレイザル」です。

名前は難しそうですが、やることは簡単。スピーチの直前にストレス反応が起き始めたら、「楽しくなってきたぞ!」や「興奮してきたぞ!」と自分に言い聞かせるだけです。

ハーバード大学のアリソン・ブルック氏は、300人を集めた実験で「リアプレイザル」の効果を証明しました。”

 

もう一つストレス対策をしないといけないことは「寝不足」です。

寝不足になると寝ている間に疲労やストレスを処理できなくなってしまいます。

その対処法は耳せん、アイマスクが有効であるという研究結果があるそうです。

他には昼寝をすること、自然に触れることも有効だそうです。

朝起きて日光の光を浴びるとメラトニンというホルモンが出て体内時計を調整してくれるのでそれも効果的だそうです。

 

ストレス対策には他にもウォーキングが効果的だといっています。

1日30~60分の軽いウォーキングを週2回でストレスが軽減されるという研究結果が出ています。

 

価値観

☑️価値観がブレているのが原因

☑️「価値評価スケール」「パーソナルプロジェクト分析」

 

「ぼんやりとした不安」にはまずは「価値観」を定めることが重要だといっています。

原始人の価値観ははっきりしていて「生きる、産む、育てる」でした。

現代人は価値観が多様化したため未来像がぼんやりしたものになってしまい、価値観のブレによる不安が起こるそうです。

そういったものに対処するために「価値評価スケール」「パーソナルプロジェクト分析」などを勧めています。

本書では実際にやり方が書いてあり、質問に答えていくと出来きるます。

 

☑️みんな無意識のうちに「死」への恐怖を持っている

☑️畏敬を感じるには宗教、自然、アート、人など偉大なものに触れること

☑️マインドフルネスを鍛えるには週2時間の軽いランニング

 

”すべての人間は無意識に死への不安を感じており、私たちが選ぶ行動の多くは、その恐怖を解消するために行われる、という説です。”

「死」に対する無意識の恐怖が「ぼんやりとした不安」につながっているといっています。

この「死」に対する不安を解消するためには「畏敬」「観察」が大切だといっています。

 

”心理学でいう「畏敬」とは、なにか自分の理解を超えるような対象に触れた際にわきあがる、鳥肌の立つような感情を指します。”

 

「畏敬」を感じるには宗教、自然、アート、人など偉大なものに触れることが効果的だといっています。

 

「観察」とはマインドフルネスのことを言います。ここではマインドフルネスについてわかりやすい文章があったのでそれを載せておきます。

”「ともかく、皿を洗うときには皿を洗うことだけをするべきです。つまり、皿を洗っていることにしっかり心を止めながら皿洗いをする、ということです。皿を洗うことができなければ、おそらくお茶を飲むこともできないでしょう。お茶を飲みながら他のことばかり考えて、手にしたカップなどほとんど気づきもしないからです。このように、わたしたちは未来に心を奪われ、このひとときを本当に生きることができずにいるのです。」”

これはマインドフルネスについてわかりやく書かれていいるなと感じました。

簡単にいうとマインドフルネスは雑念を捨てていまこの瞬間に集中しましょうということだと思います。

マインドフルネスを鍛えるには運動が有効だと言っています。

時速7キロの軽いランニングを週に2時間ずつ続けた被験者は、12週間後で有意にマインドフルネスを測る数値が上昇したと言っています。ランニング中にマインドフルネスを意識せずに普通にランニングをした結果だそうです。

 

遊び

☑️仕事などを遊び化するには「ルール」「フィードバック」が大切

☑️「3つのルール」を使ってルールをシンプルにする

☑️「アカウンタビリティーチャート」でフィードバックが返ってくるようにする

 

最後に「ぼんやりとした不安」を感じる理由は「遊び」がないことだと言っています。

仕事・育児・勉強といった人生のあらゆる面を「遊び化」していく必要があるそうです。

現代人が遊び化できないのには「ルールが複雑である」「フィードバックが返ってこない」ことが原因だといっています。

狩猟採集民族は

”自力で素材を集めて弓矢を作り、200~300種類を超える野生動物の生活パターンを記憶し、砂や泥に残る痕跡をもとにターゲットの狙いをつける作業は、いずれも高度な認知機能が必要です。”

面白そうじゃないですか?仕事がゲームみたいですよね。

それに比べて現代人の仕事はルールが複雑で分かりにくいそうです。

”長期にわたってローンの支払い計画を立てたり、初対面の人に商品を売り込まねばならなかったり、面識のない政治家に一票を投じさせられたりと、ヒトの脳にとって「新しすぎる」タスクを次々と要求されます。”

もう一つはフィードバックの即時性だそうです。

狩猟採集民族は狩りに出れば獲物が手に入るかどうかはすぐに分かります。

フィードバックの即時性とはゲームのように結果がすぐにわかることです。

それが現代人は分かりにくく、仕事のプロジェクトは結果が出るまで何ヶ月もかかり、スキルが身につくまでに何年もかかったり、達成感のない毎日が続きます。

 

ルールを明確にするために「3つのルール」というものが紹介されています。

”・今日やりとげたいことを毎朝3つ書き出して実践

・今週やりとげたいことを週の頭に3つ書き出して実践

・今月やりとげたいことを月初めに3つ書き出して実践

・今年やりとげたいことを年始に3つ書き出して実践

・毎週末にレビューを行い、うまく行った点を3つ、改善できる点を3つ書き出す。”

たったこれだけです。複雑なタスク管理をするよりも仕事のルールをシンプルにしてやることの数を少なくすることが大切だそうです。

 

次にフィードバックに効果的なのは「アカウンタビリティーチャート」などを使って、やった仕事を記録してフィードバックすることだそうです。

アカウンタビリティーチャートは簡単です。

”①ノートの真ん中に区切り線を引く

②右側に作業時間を90分区切りで書く

③左側に実際にこなした作業内容を書く”

やってみるとこんな感じです。

時間 作業内容
10:00ー11:30 別冊原稿
12:00ー13:30 原稿料作成
14:00ー15:30 本誌原稿
16:00ー17:30 表紙データ

こういう風にして記録が残るとチャートを眺める時に脳は満足感を得られるそうです。

「3つのルール」「アカウンタビリティーチャート」などを使って仕事を「遊び」にしていくといいのことです。

 

 

科学論文を扱うのは技術がいります

僕は治療院を経営していて、いろんな方の悩みを聞きます。

そういったときに病名のはっきりしない症状を持った人がとても多くいます。

現在はそう行った病院では病名がつかず原因不明だと言われた患者さんを中心に治療して行っています。

「最高の体調」では現代人の病名のつかない不調について原因は共通していて、こういったと事を日常生活で気をつけるといいよということをエビデンスのある論文をもとに説明していることに価値があります。

実際に論文はインターネットで検索できますが、

上手くキーワードを入れないと思った検索ができない

検索したら膨大な数の論文が出てくる

検索できても英文で読み解くのが難しい

など簡単には論文を素人が活かすことはできません。

そういった論文を著者の鈴木祐さんは日頃からたくさん読んでいるそうです。

このまとまった論文だけでもかなり価値があります。

しかも今回ご紹介した以外にも惜しみなく論文が紹介されています。

書いてある内容が多すぎて根幹の部分がブレそうだったのでまとめた内容には入れてませんが、面白い話がたくさんあるので読んでみることをお勧めします。

 

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